エロ広告が嫌なら広告ブロッカーを使えばいい?

 エロ広告を出している企業側、あるいはそれを守りたい人たちが「嫌な人は見なければいい」と広告ブロッカーをすすめることは諸刃の剣だ。

 まだ実装はされていないが、 Safari 経由の全ての広告を半永久的にブロックすることが可能となる広告ブロック機能がすでに開発されている。

https://www.infocubic.co.jp/blog/archives/16625/

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01476/

 ゾーニングすることはエロ広告関連企業にとって損失だからどう補填するのか、というが、その代替案として広告ブロッカーをすすめる場合、エロ広告関連企業も含む多くの企業に損失を与えることになる。広告収入によりユーザーが無料でインターネットを利用できる、という現在のシステム自体の崩壊につながる可能性がある。

 ある調査によると広告ブロッカー使用の理由として、

自分に関係のない広告 ‐ 39.2%

不適切なコンテンツが表示されるのを避けたい ‐ 38.1% 

https://www.infocubic.co.jp/blog/archives/16625/

とある。広告ブロッカーを利用する人全員がすべての広告を排除したいのではなく、一部の広告に対するネガティブな感情から広告ブロッカーを利用しているケースが存在する。

 つまり、一部の広告企業により、すべての広告企業が損失を受けている可能性がある。


 日本インタラクティブ広告協会のアンケートでは、インターネット広告に対してユーザーが「お得情報を得られる」「思いがけない商品と出会える」など“良い体験”と感じることも多いことがわかる。

https://www.jiaa.org/news/release/20240926_user_chosa/

 モラルや倫理の欠如した広告により多くの人が広告ブロッカーを使うようになれば、広告の本来の役割(ユーザーにとっては知らなかった商品と出会える、お得情報を得られるなど 広告主にとっては自社の製品を知ってもらい購入してもらえる機会を作れる)が失われてしまう。


 エロ広告に限らずだが、広告企業が法律ではなくモラル・倫理の観点において今一度自社の広告を見直し、またターゲティング制度を向上させる努力をすることで、ユーザーが広告ブロッカーを使わなくても良いインターネット環境にできるのであれば、結果的には自社も含む広告企業全体にとっておおきなメリットとなるだろう。


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